明日テレビ番組に出演します

ガリシア語研修が始まってからブログを書く余裕が全くなくなり、全然更新していなくてすみません。いろいろ読んでくれるみなさんにお伝えしたいことはあったので、後日まとめで書きますね。

 

で、こちらの時間で明日7月15日金曜日(日本時間で7月16日土曜)、ガリシアのテレビ番組に出演します。

 

私のパンデイレタと歌の師匠である、(Radio Cosの)シュルショ・フェルナンデスと彼の生徒グループのパンデイレテイラス・セン・フロンテイロスと出演予定です。

 

テレビ放送(同時にネットでも視聴できますhttp://www.crtvg.es/tvg/tvg-en-directo)がスペイン時間で明日7月15日金曜22:00-0:30、日本時間で16日土曜5:00-7:30です。

その後、スペイン時間で土曜02:00-, 日曜8:00-, 16:00-にも再放送があります。これも上記のURLで視聴できます。

 

日本時間で月曜か火曜にはアーカイブが番組ページ(http://www.crtvg.es/tvg/programas/luar)にアップされますので、その後は常時観れるようになると思います。

 

ルアールというこの番組は1985年のこの局の創立以来続いている人気長寿番組です。長時間ですが、ガリシアの伝統音楽・舞踊やポピュラー音楽、ガリシア文化の紹介やお笑いなどもあって飽きませんので、よろしければ何か軽い作業でもしながら通しで見ていただけると嬉しいです。後日私たちの出演時間がわかりましたらまたおしらせします。

よろしくお願いします。

第13日(7月5日):一番下のクラスへ、そして、もう一人のパンデイレテイロがバイーアから登場

f:id:pandeireteira:20160706081645j:plain

 

今日は忙しい。朝、文法のクラスがあってそのあとガリシア語や他の少数言語の状況についての講義、午後実践のクラス、そのあとオプショナルで民俗音楽のワークショップ、さらに夜9時過ぎからガリシア語研修とは別に友達のスサナに頼んでいるバイレのクラス。ひー。でも、昨日夜10時間も寝たせいか今日はなんとかもった。

 

午前の文法のクラスで悲しいくらいついていけなかった。ガリシア語で初心者を教えるわけだけど、私は文法の用語、それもガリシア語での、を知らないので理解するのにとても時間がかかってしまう。そんなわけでやはり一番下のクラスに移ることにした。

 

お昼ご飯。既に仲良くなったサベラとパロマの他に、私以外の唯一の日本人ひろこさんを誘って、Bodeguilla de San Roqueへ。

f:id:pandeireteira:20160706083312j:plain

ここは地元の友達も一押しのお店。前回は来日して共演したピアニストのハビエル・オテロ・ネイラに連れてきてもらってとてもよかったので。しかしなあ、パロマとサベラが、ガリシア語もスペイン語も少ししか話せないのにガリシアのことを変に知ってる私をおちょくって、それをひろこさんが日本語で解説してくれ、みんなで爆笑しまくってるので、美味しい料理なのに味がよくわからない。ちゃんと味わいたいレストランには、面白すぎる人と一緒に行ってはいけないということを学びますた(笑)

 

午後の実践のクラス。一番下のクラスへ移って、だいぶ楽になった。ふう。

 

そのあと、民俗音楽のワークショップ。今日は楽器の説明とデモ演奏。明日はバイレをやってみる。次の月曜は楽器の演奏らしい。今日は地元のグループaCentral Folqueからマウロさんとカルメさんの2人が来て教えてくれた。サンフォーナ(ハーディガーディ)、ガイタ(バグパイプ)、パンデイロ・カドラード、タンボリル(小太鼓)、口琴、タラニョーラ(ボーンズ)、パンデイレタなど。サンフォーナとパンデイレタとカント(歌)の組み合わせでの演奏が素晴らしかった。パンデイレタが入るとやっぱり急に音楽が生き生きとしてくるし、カルメさんのパンデイレタはきびきびしていて気持ちが良い、歌も素晴らしかった。ちょうど、このあいだシュルショのレッスンで習い始めたムイニェイラ・デ・イメンデの曲をサンフォーナとパンデイレタ、そして歌でやってくれたのでびっくりした。サベラも知っている曲が一曲あった。

 

ワークショップのあと、外でサベラとパンデイレタと歌を少し一緒にやる。残念ながら共通に知っているのはルンバの一曲のみだった。と、そこへ若い男性がやってきてパンデイレタを貸してと言う。あらま、うまいじゃないか。聞いたらこのダニロという男性は、講座の参加者でブラジルのバイーアから来ているが、向こうではガリシア音楽のグループに属しているという。ちょうど私とサベラの共通の先生であるシュルショが今年の初めだったか、バイーアで初めてのガリシア式のフォリアーダを開催するために向こうに行っていたはずだ。シュルショを知っているか訊いたら会ったことはないが名前は知っている、彼の友達はみんなシュルショを知っていると言う。どんなところでもシュルショとつながる。びっくり。そんなわけでこのガリシア語講座に3人パンデイレテイロス(パンデイレタを演奏する人)がいるわけだ。何事かしたくなるね。しかも講座のには”Galego sen fronteiros"(国境なきガリシア語)という名前がつけられている。シュルショに報告しなくちゃあ。

 

そして、夜9時過ぎから本日最後、バイレのワークショップの2回目。これはガリシア語研修とは別に友達であり下宿させてもらっている家の持ち主のスサナにお願いしてつくってもらった連続クラス。2回目の今日はスサナのパンデイレタの女性2人も参加。彼女たちもパンデイレタは習っていてもバイレを習うのは初めてだという。意外とそういう人は多いらしい。いずれも40代以上のシニアな(笑)クラスなので、ちょっとやるとみんな息があがってふうふう言いながらあっと言う間に終了。

 

明日は午前に文法と実践のクラスがあって午後にガリシア語研修のほうのワークショップで踊ります。いぇい。

第12日(7月4日):ガリシア語の授業始まる

f:id:pandeireteira:20160705050829j:plain

今日からガリシア語の授業が始まる。朝9時前に高台にある下宿から坂を転がり落ちるように下りてきて朝の涼しい旧市街の町を歩くと、ふと最初にスペイン語の研修で来たウン10年前の気持ちがほわっとよみがえってきた。ちょうど、背中にリュックサックを背負った小学校一年生くらいの女の子を母親が写真撮影しているのに出くわした。女の子は初めて学校に上がる日のような嬉しさと緊張がないまぜになったような顔をしている。今日は彼女にとって何の日なのかな。私もそんな気持ちだよ。

 

参加する講座はこれ。

XXIX Cursos de Verán de Lingua e Cultura Galegas | Real Academia Galega

 

授業はPraza de Mazarelosにあるサンティアゴ大のFacultad de Filosofíaの校舎で行われる。17カ国から63人の参加者が初級1、初級2、中級1、中級2、上級の5つのクラスにわかれて受講する。先週金曜のテストの結果、私はやはり、初級2のクラスだった。

 

授業初日の今日は午前の文法のクラスと映画鑑賞、午後にもう1時間実践のクラス。私のクラスは13人、私の他はスペイン、ポルトガル、イタリア、ルーマニア、ドイツ、ブラジルから。多いのは学生で自分の大学でガリシア語を3ヶ月習ったことがある人たち。やはりちょっと私にはレベルが高すぎるかなあ。他の人たちは、文法があやしげで、ちゃんと話せなくても先生の言うことは大体わかる。先生と話してみたら、今日はほとんど講座の概要と自己紹介だけだから、明日の午前は文法の基礎からやるからそれに出席してみてからではどう?と言われてそういうことにする。今日は他の参加者もテスト結果で決まったクラスから上がったり下がったりいろいろ動いているみたいだ。

 

 昼ごはんはサベラとパロマと大学からすぐ近くの市場の中で。かなり独創的なエンパナーダ。焼いた鯖みたいなものが入ってる。

f:id:pandeireteira:20160706080432j:plain

 

疲れたあ。夕食は家でつくる。私はビジュアルセンスがないから、絵的には全く美味しくなさそうだけど、私が私の好きな味付けでつくるのだから、私には普通に美味しい。料理をつくるのは自分がいつもやっていることをすることによって、上がりすぎる気を落ち着かせるためでもあるのだよねー。

f:id:pandeireteira:20160706075743j:plain

 

夜のオプショナルのイベント、ポエトリーリーディングはスキップ。日本から持ってきた日本語のガリシア語の教本(浅香先生のもの伊藤先生のもの)文法をおさらいしようと思ったけど、夜10時すでに眠すぎて無理。寝る。

第11日(7月3日):快晴!小さなお祭りとタコとサレラ川の散歩道の日曜日

本日7月3日日曜日。滞在先のスサナから「今日は1時過ぎからアウディトリオ・デ・ガリシアの近くの地区のお祭りがあって、友達がガイタを吹くのよ」聞いて、パンデイレタとガリシア語の生徒仲間サベラを誘って行く。

f:id:pandeireteira:20160704034437j:plain

地区の小さな教会での日曜のミサが終わってからバンドの音楽、パンデイレタと歌、踊りなどを披露する。民族衣装を着ると世界中どこの人も誇り高く美しく見えるね。

これはパソドブレ。最近、大太鼓ってかっこいいなあと思うんだ。楽しそう。

youtu.be

youtu.be

 

昼ごはんはその近くでローカルの人が好きないいレストランをスサナとティノに教えてもらった。Mesón do Pulpo サンティアゴ大の寮のBurgo das Naciónsからも近い。私はもう到着後結構タコは食べてるのでもういいかなと思ってるんだけど、マドリードから来たばかりのサベラのリクエストでやはりポルボ・ア・フェイラ。タコのお店だというだけあって間違いなしのクオリティ。

f:id:pandeireteira:20160704061210j:plain

そして、今日はカラッと晴れて暑いので、こんなときは小イカ、チピロネスのフライ。ほこほこやわらかくて美味しい。ここはビールを飲みたいところだけど真っ赤になってしまうので炭酸水にしておく。サベラは当然のようにビール。

f:id:pandeireteira:20160704061508j:plain

食後のデザートも充実していて、チーズケーキやリキュールのケーキなどもあって気になっていたのだが、タパス2つでお腹一杯でそこまで辿り着けなかった(笑)コーヒーまで頼んで2人で26ユーロ。満足。やっぱり地元の人のに訊くに限るね。絶対に味と値段とバランスのいいところを教えてくれる。この間旧市街のレストランで安くてまずいものを食べてしまったから、ほんと、そう思う。

 

お腹一杯になったので、サベラと2人、この辺りからずっと南に流れるサレラ川の散歩道を行ってみることにした。前に滞在していたサン・ロウレンソの家に近いお気に入りの場所だ。ガリシア音楽のリズムのムイニェイラのもとであるムイニョ、水車小屋があるし、自然も豊かだ。

www.santiagoturismo.com

わかるかなあ。青い羽のとんぼ。ちょうちょかと思った。綺麗。

youtu.be

2匹の蝶々がくるくるといつまでも私たちの近くを回ってた。いいことがあるサインなんだって。

youtu.be

アニスってこんなアスパラみたいな植物だったんだ。知らなかった。

f:id:pandeireteira:20160704064022j:plain

名前を忘れてしまったけど、このマメ科の植物の枝は、成長して硬くなったものを箒にするのだそうな。サベラってば都会に住んでるのに植物をよく知ってる。

f:id:pandeireteira:20160704064207j:plain

 打ち捨てられたムイニョとか。

f:id:pandeireteira:20160704065353j:plain

 滝とか。

f:id:pandeireteira:20160704065550j:plain

今日はちと暑かったけど、やはりここは大好きな場所。手入れをしてくれている人たちをありがたく思う。

 

帰りはアラメダ公園経由で。ここから大学の南校舎群の眺望は素晴らしい。

f:id:pandeireteira:20160704070444j:plain

この2人有名人のことはまだ勉強不足なのだけど、記念写真(笑)

f:id:pandeireteira:20160704070645j:plain

 

明日からはガリシア語クラス始まります。

 

第9日(7月1日):ガリシア語研修始まる

滞在第9日の7月1日金曜日。いよいよ、今回の滞在中の一番大きなミッション、ガリシア語研修が始まった。Real Academia Galegaがサンティアゴ大のInstitute da Lingua Galegaと共同で行う「外国人」向けの3週間の研修だ。今日は午前中に受付と開講式があって、午後はクラス分けテストがある。全くの初心者OK、しかもスペイン語知識も問わないというのだから心配は要らないはずだけど、やはり微妙に緊張感がある。

 

サンティアゴの旧市街の外周道路のすぐ外、巡礼路のそばにあるMuseo do Pobo Galego近くの下宿から15分ほど歩いて朝10時少し前に旧市街のInstitute da Lingua Galegaのオフィスへ向かう。入り口にかかっているプレートを見ると、1863年から2年間、ここは詩人のロサリア・デ・カストロと夫のマヌエル・ムルギアが所有していたものらしい。

f:id:pandeireteira:20160702064859j:plain

中に入ると既に結構な人たちが受付を待っていて、そのうちの若い女性が声をかけてきた。サベラだ。

f:id:pandeireteira:20160702070443j:plain

サベラは私のパンデイレタの先生、シュルショがマドリードで教えているクラスの生徒で、私とはSNSでは以前からつながっているが会うのは初めて。

 

実は、彼女のことは警戒していた。というのも、半年くらい前にSNSでつながったばかりの頃、彼女から「私はあなたがSNSにアップしたビデオで歌を覚えている。他に〇〇の曲のは持っていないか?XXの曲のは持っていないか?持っていたら送ってくれ。」といきなりメッセージをもらい、面食らったのだ。話したこともないのにこんなに要求してくるって、いくら勉強熱心だといっても失礼じゃないか?と。

 

そんな気持ちが、サベラと実際に会って吹っ飛んだ。とんでもなく親切で楽しい。そしてガリシア語でよう喋る。やっぱり会ってみないとわからないもんだ。彼女はア・コルーニャ生まれで両親はルーゴ県の人。小さいうちに家族でマドリードに引っ越して今もマドリードに住んでいる。でも、ガリシア人家族もマドリードへ行けばマドリードの雰囲気になるのかな、ガリシア人より遠慮なしに人にものを要求してくるし遠慮なしに何かしてあげる、といった感じがする。サベラと一緒に来たのがパロマパロマの両親はルーゴ県出身で、彼女は研修には2回目の参加だそうだ。マドリードからガリシア語の研修に来た2人がガリシア語で話しているってなんだか不思議な感じ。サベラはパロマにも私にもガリシア語で話すことを要求し、私の超下手なガリシア語を忍耐強くいちいち直してくれ、派生語だの、諺まで教えてくれるから、まるで第二の先生だ。初日から私の頭は彼女が教えてくれたことで破裂しそうだけど、この期間の間にガリシア語は上手くなるはず。ありがたい。

受講生に配布されたセット。ロゴの入ったバッチやフォルダなどで気分が上がる(教科書はクラスが決まってから)

f:id:pandeireteira:20160704054946j:plain

 

受付の次は開講式。その中で日本でこの秋からガリシア語研修が始まることも公になった。そう、そうなのです。東京でガリシア語が学べるようになるんです。すごいなあ。Real Academia GalegaのpresidenteのXesús Alonso Montero氏はとってもチャーミングでエレガントな人。硬い挨拶が多い開講式の中で、冗談を散りばめて参加者を笑わせながら自分のことを自分の言葉で話す、そんな印象だった。直接お話ししてみたら、やはりとても素敵な紳士だった。

f:id:pandeireteira:20160702084858j:plain

話が半分しかわからないのに、なんだか開講式で感激してうるっとしまった。このあいだも電車でア・コルーニャからサンティアゴに移動する途中、車窓の風景を見ながら、木を見ればどこに川が流れているかなんとなくわかるようになったなあと思ったらうるっとした。こうした気持ちがどこから来るのか未だによくわからない。どこぞの神様なのかご先祖様なのかが私を使って何かしようとしている、そんな風に感じるのだ。簡単ではないけれど、さして苦労していない。会うべき人にしかるべきときに会うし、ガリシア語もスペイン語もさして話せないしパンデイレタだってまだ下手なのに、テレビに出してもらったり、なんだかものおじせずに偉い人と話したり何か頼んだりできる。

 

シュルショに会ってからは特にそうなのだ。彼のおかげでいろんな人たちとも知り合えたし、たまたまだけど彼の生徒のサベラが今日からのガリシア語研修中私を助けてくれる。そして日本のガリシア語研究の第一人者の浅香先生とも知り合った。なんだか話ができすぎている。頑張って勉強しなくちゃね。私がこれからやるべきことのためにも、そして4ヶ国語(日本語、英語、スペイン語ガリシア語)で混乱している私の頭を少しでも楽にするためにも。

 

午後はテスト。初心者でもレベル分けテストは受けるが、ちんぷんかんぷんすぎて途中で眠くなる。どう頑張ってもこれ以上はわからないと思ったのでいくつか未回答のまま終了。私より後まで残っていた人も多いから、結構、全くの初心者も多いのかもしれない。日本にいる間にもう少しちゃんと勉強していれば、せめて名詞の複数形と女性形と動詞の過去形くらいは完璧に回答できたのになあと反省。テストは心を入れ替えるために存在する(笑)

 

今日の研修の終了後、サベラとともに旧市街のお店を探索。ハンドメイド好きな女子にはたまらないアクセサリーや服飾雑貨と伝統音楽のグッズ、民族衣装もあるDe Cotioとか、大好きなイラストレータLeandro Lamasのレザーグッズを置いているMedialuaとか。なぜだか、日本人の私がマドリード育ちのガリシア人にサンティアゴを案内してるって不思議。サベラが、私が連れて行く店々で喜んでくれるので嬉しい。

 

途中、先生の1人に会った。もうテストの結果が出たらしい。サベラは最上級クラス、ブラボー!私は一番下ではなくelemental2のクラスになったらしい。良かった。全く何の知識もない状態の人たちと一緒に始めるのでは飽きるし、かといって間違って中級のクラスに入ったらついていけない。

 

夜8時に「おやつ」をスウィーツのお店Cafe iacobusで取る。ここは先生のお勧めだったんだけど、私にはちと大味に感じる。スペインらしいずっしりと甘いのが好きな人向き。

f:id:pandeireteira:20160704051830j:plain

サベラが朝食を食べる、午前のおやつを食べる、昼食をとる、午後のおやつを食べる、夕食を食べる、それぞれ別の動詞があると教えてくれた。恐れ入りやした。ちなみに「お昼ご飯を食べる」はガリシア語ではシャンタールxantarという動詞を使う。何度来ても、スペインの時間とごはんの感覚はよくわからない。

 

土日の予定はなし。たまっている作業もあるので、家を中心に静かに過ごそうと思う。

 

第8日(6月30日):パンデイレタの工房とバイレのレッスン

第8日の6月30日は、体調が回復したので、午前中パンデイレタの工房のサニンへ、日本でオーダーをもらったパンデイレタを調達に行った。

サニンの工房へはサンティアゴ郊外、空港近くで、目の前の道は巡礼路。サンティアゴのバスターミナルから空港行きのバスに乗って行く。半年ぶりに行ったら工房が改装されていた。今までは外から見れば普通の家にしか見えなかったのに、玄関前の外のスペースにガラス戸が入り、垣根越しに外からロゴが見えるようになっている。さては!サニンに聞いたら伝統音楽の人口が増えているのを感じるとのこと。いいことだ。

f:id:pandeireteira:20160703093521j:plain

中へ入るとパーカッションパラダイス!

f:id:pandeireteira:20160703094332j:plain

サニンのところは人も雇っている大きめの工房だけれど、それでも楽器はハンドメイド。それでもパンデイレタはガリシアでは40ユーロあればベーシックなものは買えてしまうとても大衆的な楽器だ。もうちょっと高くしたいのだけど、誰もが気軽に買える値段にしておきたいとのこと。楽器のケース/バッグも自社デザインでつくっている。ごく普通の黒のナイロン製から、普通のお洒落なバッグとして使えるものまで色々あって、しかも高くないのでいろいろ欲しくなって困ってしまうが、今日は頼まれ物だけに留めた。

f:id:pandeireteira:20160703174152j:plain

 

サニンと奥様のパトリシアと一緒に昼ごはんを近くのレストランA Magdalenaでいただく。いかにも地元なレストラン。グリーンピースguisanteやアンコウrapeなどを3人でシェア。味もカロリーもガリシア人が好きなしっかりめな感じ(笑)。量もgigante !ガリシアのナンバーワンシェアビール、エストレーリャ・ガリシア、このラベルは初めて見た。

f:id:pandeireteira:20160703100337j:plain

サニンとパトリシアは知り合ったのと訊いたら10代のうちに同じバイレのチームで知り合って、それ以来ずっとなのだそうだ。羨ましい。2人とも優しくて素敵なカップル。ガリシアでは各地に伝統音楽やバイレのグループがあって活動が盛んだから、縁結びの場所でもあるんだなあ。

 

食事を食べながら、サニンは今朝の仕事上の出来事を愚痴っている。彼は優しくて、例えば祝日を返上して来客の対応をするとか、何かをオマケにつけてあげるとか、バカがつくほど親切にいろいろやってあげるもんだから、彼がその時々で好意でしてあげることを当たり前だと勘違いしてしまう客もいるのだろう。それにしても、ガリシアの人は人当たりがソフトでほんとみんな優しい。葉山にいるときと同じ感覚でいられる。

 

ところで、サニン夫妻は樹木希林が主演している日本の映画「あん」を見たと言っていた。今回の旅行にはお土産に一口大福も持ってきたので、口に合うか今度食べてみてもらおうと思っている。

an-movie.com

 

ほんでもって満腹を越えたお腹を抱えて帰宅し昼寝。

 

夜9時過ぎからはバイレの初めてのレッスン。前回までのガリシア滞在時ステイさせてもらっていたサン・ロウレンソの地区のセンターが会場。ここはアラメダ公園から下ったサンティアゴ大の南校舎の近くでもある。毎度サンティアゴで部屋を貸してくれているスサナが今回のバイレの先生も引き受けてくれ、彼女たちのパンデイレタの生徒3人と私の連続講座をつくってくれた。

 

しかし、初回の今日は私とスサナの彼のティノだけのクラスになった。ごく簡単な3拍子のショタといわゆる8分の6拍子のムイニェイラのステップを教えてもらった。簡単なステップでも本当に楽しい。ガリシアバイレはジャンプが多いので、1時間のレッスンが終わらないうちにお尻が痛くなったが、このバイレのコースが終わる頃までには何かしら踊れるようになっていたい。7月25日のサンティアゴのお祭り近くになると踊る機会はたくさんあるし、ア・コルーニャの仲間とも一緒に踊りたい。

 

バイレのクラスが終わってから、3人でサン・ロウレンソ通りのいつものバルでビールを一杯やって今日は解散。明日はいよいよガリシア語研修の初日だ。

 

第6-7日(6月28-29日):鼻風邪引いた、料理した

6月28日(火)と29日。サンティアゴで静かに過ごす。特に約束はなく、洗濯をしたり、買い物に行って初めて料理をしたり。鼻風邪引きました。去年12月に来たときも夜の冷え込みで体を冷やして鼻風邪引いたのに、今回もまたやってしまった。ガリシアは涼しい、というより寒い。

f:id:pandeireteira:20160629054248p:plain

全般的に雨の多いガリシアといえども日本よりは湿度がずっと低く、日中は気温の割に

日差しが強いし、夜から朝はかなり冷え込む。長袖の服、特にパジャマにするような長袖Tシャツを持ってこなかったので、寝ていて風邪をひいてしまったらしい。熱が出るようなことはないのだが、水っ鼻が止まらない。そんなわけでガリシアならではのブランドNikisで、一コマ漫画で人気のLuis Davilaデザインの長袖Tシャツと人気子供番組のPeppa Pig柄の厚手パーカを買った。Sachoは鍬のこと。もちろん農具だけど、ガリシアでは石で金属の部分を叩いてパーカッションとしても使う。g(h)reloはガリシア人が愛してやまないアブラナ科の葉物野菜。ウケる!

f:id:pandeireteira:20160703081409j:plain

 風邪対策は服の他に葛根湯と食べ物で。ハニーレモンに生姜を入れるのが好き。しょっぱいものが欲しければ醤油と梅肉と生姜。生姜は残念ながら添加物入りだが、日本からチューブを持ってきた。乾燥のほうが体を温める力が強いので、後日サンティアゴの市場でパウダーを買おう。野菜も根菜を取る。こんなに寒いんだったら味噌があってもいいくらいだ。

 

今回の滞在で初めての自炊をする。いつものレンズ豆と野菜のスープ。レンズ豆は皮付きでも早く煮えるから助かる。今日買ったものたち:

f:id:pandeireteira:20160703083409j:plain

お米は重いので、こちらで調達。こちらで白米を普通の雪平鍋で炊く練習してきて、今日はこちらで炊いてみた。「寿司用」と名のついたお米がちと高めなので、見た目、日本のお米の形に似ているものを買ってみた。がーん。炊き方は完璧だったと思うけど、お米の種類がやっぱり違ったらしい。粘りのある日本のお米ではなく、水分の少ない種類だった。f:id:pandeireteira:20160703083453j:plain

 私がステイしている、友達の家は前の家から家財を引っ越し中なので、台所道具も限られている。計量カップがなかったけれど、白米を普通の鍋で炊く場合は浸水後白米:水=1:1.25なので、コップで2杯の米に対し、水をコップ2杯と、さらに1杯を2つの同じコップに均等に分けた一方を鍋に入れればいい。ちょっとだけ頭使って炊いた。炊き方はこれでやってみた。このサイト、秀逸すぎる。海外の人は泣いちゃいそうだ。

www.sirogohan.com

日本のごはんを作ってみるのは今回のガリシア滞在でのテーマのひとつーまるで宇宙飛行士のミッションだな(笑)。日本にいる間にひよこ豆豆腐をつくってSNSにアップしたら思いの外反応があったので、何か日本のものを作って友達に食べさせてみようと思う。

 

今日のオマケ:マスキングテープって便利だねー。食品の袋の口を閉じるのにも、友達の家の壁を傷つけずに地図とか予定表を貼るのにも役立つ。もっともそんなこと考えてるのは日本人だけで、こっちの人はそもそも袋の口を閉じてなかったり壁が傷だらけだったりしても気にしなーい。

f:id:pandeireteira:20160703091200j:plain